drawing
- Museum number
- 1982,0701,0.22.c
- Title
- Series: The occupations
- Description
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Preparatory drawing. Street scene on a quayside of the Sumida-gawa with pedlars, mendicant Buddhist monk and fisherman; man seated and fishing at riverbank. Ink on paper.
- Production date
- 1811 (?)
- Dimensions
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Height: 27.70 centimetres
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Width: 39.10 centimetres
- Curator's comments
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See Jack Hillier, 'The Harari Collection of Japanese Paintings and Drawings', vol. 2 (Lund Humphries, 1970), no. 110c.
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Asahi 1996
No.106からNo.113までの8点は、もと‘The occupations’と題された画帖1冊に貼られていた下絵である。シエグフライド・ピング、アーネスト・ル・ビール、ラルフ・ハラリの旧蔵になり、エドモン・ド・ゴンクールの北斎の伝記(1896刊)中に記述があることが知られている。「雪中渡し舟図」(No.107)中の「閏二月」という文字から、2月と3月の間に閏月があった文化8年(1811)の作と推察できる(下絵類はジャック・ヒリアーによる下記の文献で記述されている。Jack Hillier, ‘The Harari Collection of Japanese Paintings and Drawings’, vol.2, London, Lund Humphries, 1970, no.110)。
本下絵中の5点に関わる完成作品が、近年再発見されたパリ国立図書館所蔵の肉筆画群25点の中にある。これらは、北斎あるいはその門人の手になる作品で、文政9年(1826)4月頃江戸で大塚八郎なる者の店を通じヨハン・ウイルレム・ド・ストゥルレルが入手したことが明らかになっている。同じように西洋風の遠近法や立体的な陰影を用いるシーボルト・コレクション(ライデン国立民族学博物館蔵)中の肉筆画15点も、これに関連する作品群である。両群の肉筆画についてと、本下絵との関連については、永田生慈によって詳細に論ぜられており、氏は本下絵を北斎自身よりは葛飾派に帰している(楢崎宗重監修『秘蔵浮世絵大観』第8巻 1989年 講談社 41-65図)。
本下絵類をパリの完成作品と比較すると、構図にはかなりの相違があり、完成作品はこれらの特定の下絵に「直接」は基づいていなかったのではないかと考えられる。北斎工房は少なからずの「洋風」肉筆画のセットを作り、最も人気のあるデザインについては若干変化を付けたのかもしれない。パリ本とライデン本の双方にどの研究者も見出す、細部描写の技術上の不徹底は、北斎の指示下で働く何人かの分担に基づく「協同の力作」と考えれば説明がつこう。一方、大英博物館の下絵はすべて、一筆に見え、なおかつ性格を異にする多彩な線が用いられており、これは普通なら、北斎自身による下絵類に結び付きうるものである。本展へのこの下絵類の出品により、北斎工房から出されたと考えられる「洋風画様式」の肉筆画群についてのさらなる議論を呼ぶ機会が提供されることを期待したい。
(竹内美砂子(名古屋市博物館))
- Location
- Not on display
- Exhibition history
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Exhibited:
'Siebold and Hokusai and his Tradition':
Edo-Tokyo Museum, 4 Dec 2007-27 Jan 2008
Nagoya City Art Museum, 9 Feb-23 Mar 2008
Hagi Uragami Museum, 5 Apr-18 May 2008
- Acquisition date
- 1982
- Department
- Asia
- Registration number
- 1982,0701,0.22.c
- Additional IDs
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Asia painting number: Jap.Ptg.Add.707C (Japanese Painting Additional Number)